矯正後に後戻りするのは何が原因?保定装置の重要性と管理法を解説
2025/09/20

こんにちは、成田市の歯医者、メイプル歯科はなのき台クリニックです。
矯正治療後の注意点の一つに、歯並びが少しずつ元の状態に戻ってしまう「後戻り」があります。
この後戻りを防ぎ、整った歯並びを長く維持するためには、後戻りの原因を理解し必要なケアを続けることが重要です。
今回は、矯正後の後戻りの仕組みや原因、リテーナーの役割や管理方法について解説します。
後戻りが起こる仕組み

矯正治療によって整えた歯並びが、時間の経過とともに再び乱れてしまうことを「後戻り」といいます。
この後戻りが起こる背景には、骨の吸収と再生の仕組みがあります。
矯正装置で歯に力をかけると、押される側の骨が少しずつ吸収され、反対側では新しい骨がつくられることで、歯はゆっくりと動いていきます。
ただし、装置を外した直後は、歯を支える骨の再生がまだ十分に安定しておらず、不安定な状態です。
そのため、再び元の位置に戻ろうとする力が働きます。
また、歯の根元と歯ぐきの間には歯根膜という歯と骨をつなぐ組織があります。
この歯根膜には、引っ張られたあとに元の位置へ戻ろうとする性質があります。
矯正治療で歯を動かしても、歯根膜の繊維はしばらく元の方向へ引き戻し続けるため、歯並びの安定には時間がかかります。
このように、骨の状態が安定していなかったり、歯根膜が元の位置に戻ろうとしたりすることが、矯正後の歯が元の位置に戻りやすい理由です。
そのため、治療後は経過を観察しながら保定装置を使って歯の位置を安定させていく必要があります。
後戻りが起こる原因
リテーナーの使い方に問題がある

後戻りの原因として多いのが、リテーナーの使い方に問題があるケースです。
特に、矯正治療を終えた最初の1年間は歯が動きやすい状態です。
この時期に歯科医師から指示された装着時間を守らないと、わずかな期間でも歯が動き出し、後戻りが進んでしまいます。
自己判断で装着をやめたり、装着時間を短縮したりせず、指示に従うことが大切です。
口周りの悪癖がある

日常生活の中で無意識に行っている口周りの癖が、後戻りの原因になることがあります。
例えば舌が前歯を押す癖がある場合、前歯が徐々に押し出されてしまい、歯並びが乱れる原因になります。
また、頬づえをつく癖や、横向き寝やうつ伏せ寝といった寝るときの姿勢、片側の歯だけでかむ習慣も、歯に偏った力をかける原因となります。
成長や加齢による影響

子どもは、成長とともにあごの骨や顔のバランスが変化していきます。
それに合わせて歯の位置が少しずつ変化していくことも、歯並びが崩れる要因です。
また、大人の場合も加齢による変化が歯並びの崩れにつながることがあります。
年齢を重ねるにつれて歯ぐきが下がったり、あごの骨が少しずつやせていったりすることで、歯が動きやすくなります。
歯周病の進行

歯を支える骨や組織にダメージを与える歯周病は、歯が動きやすくなることで後戻りを招く要因となります。
歯周病の進行を防ぐためには、日々の丁寧な歯磨きと歯科医院での定期的なクリーニングが欠かせません。
口内を清潔に保ち歯周病のリスクを軽減することが、歯並びの安定にもつながります。
リテーナーの役割と重要性

矯正治療によって動かした歯は、治療が終わった直後にはまだ不安定な状態です。
そこで必要になるのが「リテーナー」と呼ばれる保定装置です。リテーナーには、歯を新しい位置に維持するという重要な役割があります。
周囲の骨や歯ぐきがその位置にしっかりと適応するまでの間、毎日一定時間装着することで、歯並びが安定していきます。
一般的に保定期間は、矯正治療にかかった期間と同程度です。
歯の状態や年齢、生活習慣によって個人差があるため、リテーナーの使用期間や使用方法については、歯科医師の指示に従って管理することが大切です。
リテーナーの種類
固定式リテーナー

固定式リテーナーは、上下の前歯6~8本の歯の裏側にワイヤーを取り付けて固定する保定装置です。
「フィックスリテーナー」とも呼ばれます。
取り外す必要がなく、つけ忘れる心配がないため、後戻りを抑えやすいのが特徴です。
また、歯の裏側に装着するため目立ちにくいというメリットもあります。
一方で、歯磨きがしにくくなるため、歯垢や歯石が溜まりやすく虫歯や歯周病のリスクが高まることがデメリットです。
そのため、固定式リテーナーを装着している間は特に、丁寧な歯磨きや定期的な歯科検診でのクリーニングが欠かせません。
取り外し式リテーナー

取り外し式のリテーナーは、患者さん自身が自由に着脱できる保定装置です。
プラスチックのプレートにワイヤーがついているプレート型や、透明なマウスピース型があり、奥歯まで保定できるため、より広範囲の歯並びを安定させることが可能です。
このタイプのリテーナーは取り外せるため、食事や歯磨きの際に外すことができ、虫歯や歯周病のリスクを下げやすいという利点があります。
ただし、自己管理が重要であり、装着時間を守らなかったり、装置を紛失したりすると、後戻りが起こる可能性が高まるというデメリットがあります。
リテーナーの管理方法
リテーナーは、基本的には1日に20時間以上装着することが求められます。
この時間を守らないと、歯が動き始めて後戻りのリスクが高まるため注意が必要です。
取り外し式のリテーナーは、食事や歯磨きの際には外し、流水で優しく洗ったうえで専用ケースに入れて保管します。
高温になる場所や直射日光の当たる場所での保管は変形の原因となるため避けましょう。
固定式リテーナーの使用中は、歯の裏側の清掃が特に重要です。歯垢や歯石が溜まりやすいため、デンタルフロスなどを使って丁寧にクリーニングしましょう。
また、装着時に違和感や痛みを感じた場合は、早めに歯科医師に相談することが大切です。
まとめ

矯正治療後の後戻りを避けるためには、リテーナーを正しく使うことが重要です。
リテーナーを正しく使わなかったり、保定期間中のケアがおろそかになったりすると、後戻りを含めた口腔内のトラブルが生じる可能性があります。
矯正期間終了後もケアを続けることで、整った歯並びを守りましょう。
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