ドライソケットの痛みはいつまで続く?目安となる期間や受診したほうがいい状態を解説
2025/06/20

こんにちは、成田市の歯医者、メイプル歯科はなのき台クリニックです。
歯科治療の中でも、親知らずの抜歯は多くの患者さんにとって不安を感じる治療の一つです。
抜歯後に感じる痛みや腫れは、日常生活に影響を及ぼすことがあり、「どれくらい痛みが続くんだろう?」と心配になる方も少なくありません。
多くの場合、抜歯後の痛みは、手術後の2~3日でピークに達し、その後徐々に緩和していきますが、時には1週間以上痛みが続くケースもあります。
この場合に考えられるのは「ドライソケット」になっている可能性です。
今回は、ドライソケットの原因、症状、治療法などについて解説します。
親知らず抜歯後の痛みが続く期間
一般的に、親知らずの抜歯後には痛みが伴います。
麻酔が切れるとともに痛みが現れ、その痛みは2~3日ほど続くため、処方された鎮痛剤などで対処することになります。
術後の経過が順調であれば、痛みはこのピークを過ぎると自然と治まっていきます。
しかし、時には1週間以上も痛みが続き、日常生活に支障をきたすことがあります。
このような場合には、ドライソケットになっている可能性を考え、早期に歯科医院を受診する必要があります。
ドライソケットの痛みは抜歯後の痛みとは質が異なり、より鋭く、激しいことが特徴です。
ドライソケットとは

ドライソケットとは、抜歯後の傷口に血餅が正常に形成されず、骨や神経が露出した状態のことです。
血餅とは血液が固まってできた塊のことであり、通常は抜歯後に血餅が形成され、これがバリア機能を働かせることで外部の刺激から傷口を保護します。
しかし、血餅が何らかの理由で失われたり形成されなかったりすると、骨や神経が外部に露出し、痛みや炎症を引き起こすことになります。
ドライソケットは特に下顎の親知らず抜歯後に発生しやすいといわれています。
これは、下顎が上顎に比べて血流が少なく、出血量も限られるため、血餅の形成が不十分になりやすいためです。
そのため、過去に上顎の親知らず抜歯後に何もトラブルがなかった方でも、下顎の抜歯後にドライソケットになる可能性があります。
ドライソケットの原因
うがいのし過ぎ

抜歯後は、口の中に残る血の味や不快感から、頻繁にうがいをしたくなります。
しかし、抜歯部位に形成された血餅はデリケートであり、過度なうがいやすすぎによって剥がれ落ちてしまいます。
そのため、特に抜歯当日は、必要以上に口をゆすがないようにしましょう。うがいを行う際も、優しく静かに行うことが大切です。
舌や指での接触

抜歯をした箇所が気になり、つい舌や指で触れてしまうこともありますが、このような接触は血餅に刺激を与えるだけでなく、細菌感染のリスクも高めます。
また、歯ブラシによる刺激も血餅を剥がす原因となります。
抜歯箇所にできるだけ触れないようにするとともに、ブラッシングを行う際には、血餅部分を避け、優しく慎重に行うようにしましょう。
血行が良くなる行為

入浴や飲酒、激しい運動は全身の血行を促進しますが、これは抜歯後の血餅の形成や維持には悪影響となることがあります。
血行が良くなることにより、出血が長引き、血餅が安定しなくなるためです。
術後2〜3日は飲酒や激しい運動を避け、入浴もシャワー程度に留めるようにしましょう。
喫煙

喫煙はタバコに含まれるニコチンが血管を収縮させ、歯ぐきへの血液供給を妨害します。
これにより血餅が安定せず、ドライソケットを引き起こすリスクが高まります。
喫煙をしている方は、特に抜歯後に関してはタバコを吸うのを控えるようにしてください。
ドライソケットの痛みが続く期間
ドライソケットの痛みは、通常の術後の痛みとは異なります。
抜歯後数日が経過したころから突然痛みが強まり、鎮痛剤が効きにくいのが特徴です。
この状態をそのままにしておいた場合、自然治癒までには1ヶ月ほどかかることが多く、状態が悪化すると痛みが数ヶ月間続くこともあります。
早めに歯科医院を受診すべき症状
ドライソケットの可能性がある場合、早めに歯科医院を受診するようにしましょう。
例えば、抜歯から1週間以上経過しても、鎮痛剤を飲まないと耐えられないほどの痛みを感じる場合は、ドライソケットの可能性があります。
さらに、ドライソケットでは、激痛だけでなく、抜歯部位からの悪臭を感じる場合もあります。
これは、ドライソケット部分に食べカスや歯垢が溜まり、細菌感染が起こるためです。
感染が進むと、炎症や化膿によってさらに強い痛みが発生します。
こうした症状が出た際には、我慢せずに早めに歯科医院を訪れ、治療を受けるようにしてください。
ドライソケットを放置するリスク
骨の炎症
ドライソケットによって露出した骨は、細菌感染のリスクが高まり、急性歯槽骨炎を発症する可能性があります。
場合によっては、骨が壊死し、症状が広範囲に及ぶと外科手術が必要になることもあります。
また、感染がさらに進むと蜂窩織炎(ほうかしきえん)を引き起こし、発熱、倦怠感、食欲不振など、全身に影響を及ぼす症状が出る可能性があります。
歯ぐきの変形
ドライソケットを放置した場合、歯ぐきの形が崩れるリスクがあります。
抜歯によって空いたスペースに歯ぐきが再生される際に、炎症が続くことでデコボコになるためです。
ドライソケットの治療法
薬物療法
ドライソケットでは強い痛みが伴うため、鎮痛剤で痛みを和らげ、抗生物質を使用して感染を予防します。
治癒が進み、痛みが和らいでも、抗生物質は歯科医師の指示に従って最後まで服用することが重要です。
傷口の清掃・薬の充填
抜歯後の空洞には食べカスや汚れが溜まりやすいため、生理食塩水で清掃を行い、その後ガーゼに薬を染み込ませて充填します。
ガーゼは数日ごとに交換が必要で、清潔な状態を維持するために定期的な通院が必要です。
軟膏の塗布
洗浄後、傷口に局所麻酔剤や抗菌剤の軟膏を塗布し、サージカルパック(歯周包帯)で蓋をします。
これにより、歯ぐきの痛みを和らげ、出血を抑えることができます。
再掻把処置
血餅が形成されなかった場合、再度出血を促して新しい血餅を形成します。
局所麻酔を行い、傷口を軽く掻き、新たに出血させることで血餅を再形成します。
まとめ

ドライソケットの予防・早期改善のためには、抜歯後の正しいケアを心がけ、少しでも異常を感じた場合は速やかに歯科医院を訪れることが重要です。
未然にドライソケットを防ぎ、発症した場合も迅速な治療を受けることで、親知らず抜歯後のストレスを軽減しましょう。
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