歯科治療で使われるセラミックにはどんな種類がある?それぞれの特徴を解説
2025/07/20

こんにちは、成田市の歯医者、メイプル歯科はなのき台クリニックです。
歯科治療に使用される詰め物やかぶせ物には、さまざまな素材があります。
その中でもセラミックは、周囲の歯に合わせた自然な色味で、透明感やツヤがあるため、目立ちやすい前歯によく使用される素材です。
また耐久性にも優れており、歯への適合性が高いため虫歯や変色のリスクが低いという特徴もあります。金属を使用しないので金属アレルギーの心配もありません。
ただし、セラミックにはさまざまな種類があります。
そのため、それぞれの特性を理解したうえで、自分に適したものを選ぶことが大切です。
今回は、歯科治療で使用されるセラミックの種類について解説します。
レジンとセラミックの違い

レジンは、詰め物やかぶせ物、ブリッジ、入れ歯など、さまざまな目的で使える汎用性の高い素材です。
保険が適用されるため経済的負担が少なく、軽度の虫歯であればペースト状のコンポジットレジンを注入し光で硬化させるだけで治療が完了することから、短時間で治療が終わるというメリットもあります。
しかし、レジンはプラスチック素材のため、長年使用することで黄ばみが発生したり、摩耗による形状の変化が起こったりする可能性があります。
また、セラミックに比べて汚れが付着しやすく、虫歯の再発リスクが高い点もデメリットです。
そのため、長期間にわたる歯の健康を考慮すると、セラミックのほうが適しているといえます。
歯科治療で使われる主なセラミック
オールセラミック

オールセラミックは、その名の通りセラミックのみを使った素材です。
自分の歯に近い透明感や色合いを再現しやすく、前歯などの目立ちやすい部位に多く使用されています。
表面はツルツルとしていて汚れがつきにくいため虫歯の再発を防ぎやすく、経年劣化による変形のリスクが少ないので長持ちする、という利点もあります。
しかし、陶器素材であるがゆえに、強い衝撃を受けると欠けたり割れたりする恐れがあり、奥歯のように負担がかかる部位への使用や、かむ力が強い方、歯ぎしりや食いしばりがある方には不向きな場合があります。
ハイブリッドセラミック

ハイブリッドセラミックは、セラミックとプラスチックを組み合わせた素材です。
そのため、ほかのセラミックに比べて費用が低めに設定されています。
また、硬すぎない素材のため、かみ合う歯に与えるダメージが少ないのもポイントです。ただし、プラスチックを含むため耐久性がほかのセラミックに比べると低く、汚れがつきやすいというデメリットもあります。
また、経年変化により変色することもあります。
e-max

e-maxは、ガラスセラミックを強化した素材です。
ガラスのような透明感を持ち、オールセラミックよりも強度があるため、審美性と機能性の両方を求める方に適しています。
ただし、強度が高いとはいえ、衝撃を受けると割れることがあります。
また、透明感のある素材の性質上、土台の歯の色に影響を受けやすいという特徴があります。
特に、金属の土台や変色した土台では見た目が悪化する可能性があるため、ラミネートベニアとしての使用や、土台に変色がない方などに向いている素材といえます。
ジルコニアセラミック

ジルコニアセラミックは、セラミックの中でも特に強度が高い素材です。
金属と同等の強度を持つため、奥歯に使用しても咀嚼する際の力に耐えられる耐久性があり、かみ合わせの強い方や、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方に適しています。
また、オールセラミックと同様に変色や変形が少なく、汚れにくい特性を持つため、虫歯の再発リスクを低く抑えられます。
しかし、審美性においてはオールセラミックやe-maxに劣ることがあり、また天然歯よりも硬いために、かみ合う歯が欠けるリスクがあります。
メタルボンド

メタルボンドは、内側に金属を使用し、外側にセラミックを被せた素材です。
内側が金属のため強度があるのが特徴ですが、一方で金属を使用しているために歯ぐきの変色や金属アレルギーのリスクがあります。
また、使用部位によっては金属部分が露出する恐れや、金属を内包しているために透明感に劣るというデメリットがあります。
そのため、強度を重要視する方や、かむ力が特に強い部位に適しています。
セラミックを使用した歯科治療にかかる費用の相場
オールセラミック
オールセラミックの治療は、詰め物では約6〜8万円、被せ物では約8〜22万円が一般的な相場です。
ハイブリッドセラミック
ハイブリッドセラミックの費用は、詰め物で約3〜4万円、被せ物で約4〜8万円です。
比較的手を出しやすい価格なのは、保険適用が可能なレジンを含むためです。
e-max
e-maxの費用は、詰め物が約4〜6万円、被せ物が約7〜10万円です。
ジルコニアセラミック
ジルコニアセラミックの治療費用は、詰め物で約4〜6万円、被せ物で約10〜20万円が相場です。
メタルボンド
メタルボンドの費用は、約8〜15万円が相場です。
セラミックを使った治療が高額な理由
セラミック治療が高額になるのは、保険が適用されないためです。
保険が適用される場合、1〜3割負担で治療が受けられますが、自由診療だと全額負担となるため、その分治療費が高くなります。
さらに、歯科医院ごとに料金設定や取り扱うセラミックの種類が異なることも費用負担が大きくなる理由です。
また、素材そのもののコストが高いという理由もあります。
加えて、精密な技術を要するため、歯科技工士や歯科医師の技術料や、質を維持した補綴物を作るための材料費も加算されます。
セラミックの選び方

セラミックを選ぶ際は、目的や使用する部位に応じた選択をするようにしましょう。
例えば、前歯などの目立つ部分は、自然な透明感を持つオールセラミックやe-maxが適しています。
奥歯やかみ合わせの強い部分には、強度の高いジルコニアセラミックやメタルボンドがいいでしょう。
費用を重視する場合はセラミックの中でも費用負担が小さいハイブリッドセラミックが向いています。
また、金属アレルギーの方は、金属を使用したメタルボンドは向いていません。
このように、セラミックと一言でいってもさまざまな特徴があるため、自分の口内環境や希望、予算に合わせて適したものを選ぶようにしましょう。
まとめ

歯科治療で使用されるセラミックにはさまざまな種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
オールセラミックやe-maxは審美性を重視する方に向いており、ジルコニアセラミックやメタルボンドは耐久性を求める方に向いています。
治療コストやアレルギーの有無も考慮しながら、自分に合った治療を選びましょう。
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