キスで歯周病がうつる?歯周病の感染リスク、予防方法を解説
2025/05/20

こんにちは、成田市の歯医者、メイプル歯科はなのき台クリニックです。
キスは、好意を持っている者同士がお互いの愛情を確かめ、交流を深める手段であり、生活の中で自然に行われていることです。
しかし、その当然のように行われている行為の中に「歯周病の感染」というリスクが潜んでいるのをご存じでしょうか。
歯周病は、放置すると歯を失うばかりか、全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性がある病気です。
今回は、キスを通じてどのように歯周病が感染するのか、日常生活でキス以外に歯周病が感染するリスクがある行為にはどのようなものがあるのかについて解説します。
歯周病とは

歯周病は、歯垢の中に潜む歯周病菌が原因で起こる感染症です。
歯垢は、細菌や唾液中の物質が混じり合って形成されるものであり、毎日のブラッシングが不十分だと歯の表面に蓄積していきます。
また、歯垢は時間がたつと歯石となって固着し、通常の歯磨きでは落とせなくなります。
そして、その中に含まれる歯周病菌が歯ぐきに炎症を起こし、歯槽骨の吸収やそれによる歯の脱落を招きます。
歯周病菌は口腔内の常在菌の一つであり、ほとんどの人の口腔内に存在していますが、歯周病菌があるからといって必ずしも歯周病になるわけではなく、口腔内の常在菌のバランスがとれている状態であれば歯周病は発症しません。
しかし、口腔内の清掃が不十分など何らかの原因で細菌の量が増えると、身体の免疫システムがこれを排除しようとして歯を支える歯周組織を破壊するようになります。
歯周病の感染経路
キス

歯周病菌が口腔内に混入する経路の一つに、キスがあります。
キスをする際に唾液が口腔内に入り込むことが感染の原因です。
唾液を通じて細菌も移動することで、歯周病の原因となる菌が混入してしまいます。
特に、親から子へのキスは、お子さんの将来の歯周病リスクを高めてしまう恐れがあります。
歯ブラシなどの共有

家族やパートナー間で歯ブラシや歯磨き粉を共有している場合も少なくないかもしれませんが、ここにも感染のリスクがあります。
歯を磨いた後の歯ブラシには多くの細菌が付着しています。
水でよくすすいでも、これらの細菌を完全に除去するのは簡単ではありません。
また、歯磨き粉の共用もリスクになります。
歯周病菌の付いた歯ブラシで歯磨き粉を使用することで、その次に使用する人の口内に細菌を移してしまう可能性があります。
親から子への口移し

親が自分の口で咀嚼した食べ物を赤ちゃんに与えたり、自分が使った箸やスプーンで食事を与えたりすることで、歯周病菌の感染が起こる可能性があります。
特に、食材をやわらかくするための「かみ与え」には注意が必要です。
赤ちゃんに食べ物を与える際には、専用のスプーンやフォークを使用し、親の唾液が混じらないようにしましょう。
食べ物・飲み物のシェア

食べ物や飲み物をシェアすることにも細菌感染のリスクが潜んでいます。
複数人で一つの箸やスプーンを使ったり、同じストローやコップで飲み物を共有したりすると、歯周病菌の感染が広がる可能性があります。
これを避けるためには、料理を取り分ける際には専用のトングやスプーンを使用し、個々の皿に別々に取り分けることが大切です。
また、ジュースやお酒の回し飲みなども避けるようにする必要があります。
歯周病の感染・発症を予防する方法
定期的な検診とセルフケアを徹底する

歯周病菌に感染したからといって必ずしも歯周病になるわけではなく、口腔ケアをきちんと行い免疫バランスに気を使っていれば発症は予防できます。
そのため細菌感染を過度に恐れる必要はありませんが、定期的な歯科検診と日々のセルフケアは歯周病予防に必要不可欠です。
定期的に歯科医院で検診を受け、歯垢や歯石を除去しておくことで、歯周病の発症を予防することができます。
食べ物の口移しや食器の共有を控える

感染リスクを下げるためには、食べ物の口移しや食器の共有を避けることが重要です。
例えば、赤ちゃんに食べ物を与える場合、大人の唾液が赤ちゃんの口内に入ることを避けるために、専用の箸やスプーンを使うようにしましょう。
家庭によっては大皿料理から自分が食べる分を各自取り分けるスタイルで食事を行っている場合も多いかと思いますが、そのような場合は取り分けるための専用の箸やトングを使うようにしてください。
また、さらに望ましいのは、取り分けスタイルではなく、一人ひとり個々の器に料理をよそったうえで食事をすることです。
禁煙をする

喫煙は、全身の健康に悪影響を及ぼすばかりでなく、歯周病のリスクを高める要因の一つでもあります。
タバコに含まれる有害物質は血流を妨げ、歯ぐきへ酸素や栄養を供給する血管を収縮させます。
その結果、歯周ポケットは細菌の繁殖しやすい環境になり、歯ぐきの損傷の回復も妨げられます。
禁煙することで、歯周病のリスクを下げることが可能となるため、自力での禁煙が難しい場合は、医療機関での禁煙治療も検討してみましょう。
免疫力の維持・向上
歯周病菌を持っていても免疫力が高い状態であれば、発症リスクは低くなります。
そのため、栄養バランスの取れた食事や十分な睡眠、ストレスをためない工夫などにより免疫力を維持することが大切です。
まとめ
歯周病は感染症の一つではありますが、感染したからといって必ずしも発症するわけではありません。
日常的にセルフケアをしっかりと行い、定期的に歯科医院で検診やクリーニングを受けていれば、発症を予防することができます。
感染リスクがあるからといってキスをはじめとしたスキンシップを過剰に避けるのではなく、感染しても発症させない口内環境づくりに努めましょう。
また、歯周病に特に注意が必要なのは、妊娠中の女性や喫煙者、糖尿病を患っている方などです。
妊娠中の女性は、ホルモンの影響により歯ぐきが敏感になり、歯周病のリスクが高まります。
つわりや体調不良でなかなかブラッシングが難しい時でも、できる範囲でケアを行うことが重要です。
また、安定期に入ったら早めに歯科医院を訪れ、必要なケアを受けるようにしましょう。
そうしておくことで口腔内の歯周病菌の量を減らすことができ、生まれてくる子どもへの感染のリスクも低減させることができます。
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